インターネットの普及に伴い、さまざまな業界でWebマーケティングが積極的に行われるようになりました。
その一方で、塗装業界はまだこの点があまり進んでいないと言えます。
その理由のひとつとして、小規模な事業者が多く、なかなかWebマーケティングにまで手が回らないといった事情が挙げられるでしょう。
では、塗装業者にとってWebマーケティングとはどのようなメリットが得られるものなのでしょうか?
導入の際にはこのメリットをよく踏まえた上で、費用対効果を検討しつつ、計画を練っていくことが必要になります。
集客用ホームページのメリットとは?
集客用ホームページを作成するにも時間・費用両方のコストがかかりますから、かけたコスト以上の見返りが得られるかどうかがポイントとなります。
集客用ホームページを作成・運用する最大のメリットに、多くの人の目に届きやすい点が挙げられます。
チラシ広告など紙媒体を利用した手法の場合、どうしても手に取ってもらえた人だけにしかアピールできない問題点があります。
それに対し、ホームページならより広い範囲に情報を届けることができます。しかも24時間いつでも目に触れる環境にできます。
チラシのように捨てられてしまったらもうおしまいではなく、思い出した時に改めてホームページにアクセスして、情報をチェックしてもらうことも可能です。
ホームページを運営しているという事実が信頼感を与え、ブランディングに役立つ面もあります。
しっかりしたホームページを作成し、定期的に更新していることで、「この塗装会社はコストをかけてマーケティングをしている」という意識を見る人にアピールできます。
信頼性とブランディングに関して言えばもうひとつ、チラシに比べて圧倒的に多い情報を提供できる点が挙げられるでしょう。
とりわけ塗装業者の場合は、施工事例を鮮明な画像で詳細に紹介できるメリットが大きいでしょう。
「自社では過去にこんな塗装を行ってきました」
「こんな塗装が得意です」
とわかりやすい形で紹介することで、
「信頼して任せられる塗装会社」
というイメージをアピールできるわけです。
マーケティング戦略のポイントは?
マーケティング用のホームページで集客効果を得るためには、上記のメリットを最大限に活かしつつ、Webマーケティングならではのポイントも踏まえて効果的に行っていく必要が出てきます。
まず、最大のメリットである「多くの人に目にふれる機会を作る」ことです。単にホームページを作成するだけでは集客効果はあまり期待できません。
何しろネット上には無数のサイトが存在していますから、何もしなければ誰の目にも止まらずに終わってしまう恐れがあります。
この対策の鍵を握るのがSEO対策です。ユーザーが検索エンジンで「地域名 塗装業者」をキーワードで検索をかけた際に、自社のホームページが検索結果に表示される、それもできるだけ上位に表示されるための対策をSEOと言います。
このSEOには適切なキーワード設定やサイト内容の充実、リンク先の選択など、さまざまな面への配慮が必要になってきます。
検索エンジンで上位表示を実現すれば一気にアクセス数も増え、アピール効果を高めることができます。
それから、チラシ広告など他のマーケティングと同様、ターゲティングをしっかりと行うことです。
自分たちがどんな層にアピールしたいのかを明確にした上で、それに合ったホームページの内容や情報提供を行いましょう。
塗装業者の場合はとくに、エリアの絞り込みが重要です。
自分たちがサービス対象エリアとしている範囲の人たちに届くような情報提供ができるか、サイトの内容や情報の内容にも地域密着を心がけたものを重視してみるとよいかもしれません。
あとは量と質のバランスを重視することです。
他のマーケティング手法と比べて格段に多くの情報を提供できるのもWebマーケティングの大きなメリットですが、あまり多くしすぎると敬遠されてしまう恐れもあります。
ホームページ内部の構造が複雑すぎる、文字量が多すぎて読むのが大変、といった「盛り込みすぎ」なサイトは避けましょう。
先述したように、過去の施工事例など信頼感を高めるのに役立つ情報を優先しつつ、「じゃあこの塗装会社に問い合わせしてみようか」とユーザーに関心をかきたてて行動に移させるようなサイトを目指しましょう。
そしてもうひとつ、競合するライバル会社がすでにホームページを作成していた場合には、それとの差別化も意識して内容を充実させてみましょう。
過剰に「うちのほうが上!」とアピールするのではなく、「うちを選ぶといろいろとメリットが多いですよ」とメリットを強調できる内容を心がけることが重要です。
例えば
・外壁診断士が現調
・一級塗装技能士が施工
・基本4度塗り
・ダブル保証付き
・〇〇塗料メーカー認定施工店
また、ライバル会社のサイトを分析して、わからづらい部分、使いづらい部分を参考にした上で、よりよいサイトづくりに活かすのも有効です。
Webマーケティングを成功させるためのコツとは?
集客用ホームページの効果をさらに高めるためには、他の手法との連携も行っていきましょう。
例えば、チラシ広告をはじめとする紙媒体を活用した、従来型のマーケティングとの連携も有効です。
チラシであなたの会社のことを知った人が、より詳細をチェックするためにホームページにアクセスする…といったケースもあります。
また、以前チラシで見て会社の名前をなんとなく覚えていた人が、いざ外壁塗装が必要になったときに思い出してネットで検索する…といったことも起こり得ます。
チラシのように実際に手にとって目にする媒体は記憶や印象に残りやすいため、そのメリットを活かしつつ、ホームページでそれを補う手法がとても有効になるのです。
SNSとの相性がよいのもホームページの特徴です。
ホームページを定期的・頻繁に更新するとなるとけっこう大変ですし、その時間・手間を確保している余裕がないというケースも出てくるでしょう。
そんな場合に、サイトからSNSをチェックできる形にして、こまめに更新していくことで、頻繁な情報提供が可能になります。
SNSでは気軽に投稿できますから、日頃の仕事の様子や塗装に関する豆知識などを発信していくことで、親しみやすく、信頼できる業者であることをアピールできます。
地域密着型をアピールして、サービス対象エリアの人たちに親近感を持ってもらうのにも役立つでしょう。
さらに、Web広告も併用する選択肢もあります。
これはコストがかかるので必須とまでは言いませんが、ユーザーが塗装関連のサイトにアクセスした際に会社の広告が画面上に表示される形にすれば、より的を絞ったターゲティングが可能になります。
塗装業者についての情報収集を行っているときに、あなたの会社の広告が画面に表示されれば「どんな会社なんだろう?」と興味を持ってアクセスしてもらえる可能性が高くなります。
サイトの内容をチェックして「ちょっと問い合わせをしてみようか」と行動を促す効果もあります。
Webマーケティングを行う際の注意点
ただし、実際に自社のホームページを作成してWebマーケティングを行っていく際には、注意すべき点もいくつかあります。
まず、法令をよくチェックし、適切な内容を心がけましょう。簡単に言えば、不当表示や紛らわしい表示などは避けることです。
価格の安さをアピールしたあまりに過度に安い価格をサイトで紹介したものの、実際の価格はもっと高くなる…といったことになると、信頼性を高めるどころか、むしろ悪評をもたらしてしまう恐れがあります。
もちろん、良いところを見せるのはマーケティングの基本ですが、過度に自分たちを大きく見せるような内容は逆効果です。
塗装業者を探している人の多くは「悪質な業者に騙されないか」という不安を抱えており、「信頼できる業者かどうか」を重視して探す傾向が見られます。
一度悪評が立ってしまうと、それを解消するのは非常に困難です。
ホームページ制作・運営を始めるためのポイント
基本的には、ホームページ制作会社に制作してもらうことになります。
ですから、そのための費用の確保が必要です。
そして、制作会社に全面的にお任せして作ってもらうのではなく、これまで挙げてきたポイントを踏まえつつ、「こんなサイトにしたい」というビジョンをできるだけ明確にした上で依頼しましょう。
それから、ブログやSNSと連携させる場合には、どのような方向性で両者の住み分けを行っていくのかを決めましょう。
ホームページでは重要な知らせをメインに提供し、ブログ・SNSではもっぱら会社の日常のことについて情報発信するなど、それぞれのメインとなる内容を決めておきましょう。
そして、プログ・SNSを担当するスタッフも決めておくことです。この作業も業務の一部として捉えることを忘れないようにしましょう。
少々コストはかかりますが、うまく運営できれば、飛躍的に集客やブランディング効果が得られるのがWebマーケティングのメリットです。
自社物件を増やすためにはやはり知名度アップが不可欠です。そのための手段として、導入を検討してみてください。