「いつまで下請けのままでいいのか…」
これは、多くの個人塗装業者が一度は抱える悩みではないでしょうか。仕事はあるけれど、単価が安い。休みもない。
営業活動なんてやったことがないし、現場で手一杯。そうして、毎日が目の前の仕事に追われるばかりで「この先どうなるんだろう」と不安を抱えながらも、行動に移せず時間だけが過ぎていく。
そんな中、ゆいまるWebのパートナー業者で、一人で塗装業を営む「あらき建装」さんは、ある日思いきって「行動」に出ました。
きっかけは「このままじゃ何も変わらない」と感じたこと。
この記事では、そんなあらき建装さんが、どうやって「下請け依存」から脱却し、自社物件の比率を6割まで伸ばしたのか。
そのリアルな過程をご紹介します。
目次
一人塗装屋・あらき建装さんの悩みと決断
東京都国立市を拠点に活動している「あらき建装」さんは、いわゆる「一人親方」。
従業員を雇わず、自ら現場に出るという、まさに塗装職人として「地に足のついた」働き方を続けてきました。
しかし、数年前までは、仕事のほとんどが下請け仕事。元請けの建設会社や工務店からの依頼をこなす日々でした。
一見、安定しているようにも見えるこの働き方。しかし、実際には多くの見えない悩みが重なっていました。
悩み1:仕事はあるが「儲からない」
「今日も現場に出て汗をかいた。でも…それに見合う対価がもらえているだろうか?」というのが、あらき建装さんが日々感じていたモヤモヤでした。
下請けの仕事は、スケジュールや内容を元請けに握られていることが多く、「〇〇円でここまでやって」と単価も決められてしまいます。もちろん、材料費(元請けが出すことも)や交通費も自腹。手元に残る金額は決して多くありません。
「このまま年を重ねたら、体もきつくなるのに収入は頭打ちだな…」
そんな将来の不安が、じわじわと心を締めつけていきました。
悩み2:「営業」なんてやったことがない
とはいえ、「自分で仕事を取っていこう!」とすぐに思えたわけではありません。
というのも、あらき建装さんは営業経験ゼロ。口下手な性格もあり、飛び込み営業やテレアポ、チラシ配りといった活動にどうしても抵抗がありました。
「自分は職人であって、セールスマンじゃない」
「見積もりを出すのも緊張する。断られるのも怖い」
そんな思いから、“自分で仕事を取る”という選択肢にすらなかなか踏み出せなかったのです。
悩み3:現場が忙しすぎて「動きたくても動けない」
「今のままじゃダメだ」と頭では分かっていても、目の前の現場に追われる日々。朝から夕方まで塗装作業、帰ってきたら片付け、材料の補充、見積書の確認。
「動きたくても、動けない」
「やろうと思っても、時間がない」
「情報発信とかSNSとか、言ってる余裕がない」
気づけば一週間、また一ヶ月があっという間に過ぎていく…。
この“変えたくても変えられない”状況こそが、一番の悩みでした。
決断のきっかけ:「このままでは、何も変わらない」
そんなある日、ふとした瞬間に、心の中で強い言葉が響いたそうです。
「このままでは、10年後も何も変わらない」
同業の知人が、自分のホームページで仕事を取っているという話を聞き「もしかしたら、自分もやれるのかもしれない」と希望が芽生えました。
自社物件を取るために選んだのはホームページ制作
営業ができない。チラシを配る時間もない。SNSも苦手。
それでも「何かしなければ変わらない」と考えたあらき建装さんが選んだのは、「ホームページを作る」ことでした。
ホームページなら、自分が現場に出ていても、24時間365日、見込み客に自分の存在を伝えてくれる“営業マン”になってくれる。
そこで、ネットで調べて、外壁塗装専門のホームページ制作を手がけるゆいまるWebに相談し、国立市を中心としたエリアで、自社の強みをしっかり伝えるホームページを作成しました。
もちろん、最初は不安だらけ。
「本当にこんなことで仕事が来るのか?」
「営業経験もないし、ネットなんて使ったことない」
それでも、「何もしないよりはやってみよう」と腹を括り、公開後はとにかく情報発信に力を入れるようになります。
お問い合わせはすぐに来ないけど「継続」がカギ
ホームページ公開後、すぐに問い合わせが来たかというと、答えはNOでした。
「やっぱりダメかもな…」という気持ちもよぎったそうですが、あらき建装さんはあきらめずに「施工ブログ」の更新を始めます。
・〇〇市の外壁塗装工事の様子
・使用した塗料の紹介
・工事期間中に気をつけたポイント
・お客様からの感想
など、写真付きで日々の仕事をコツコツと記録していきました。
「現場が終わったあとにブログを書くのは正直きつかった。でも、やらなきゃ意味がないと思って続けた」と語ります。
この“地道な努力”が、のちの大きな成果へとつながっていくのです。
ブログが問い合わせを生み仕事が変わり始めた
しばらくすると、ホームページから1件の問い合わせが入りました。
「ホームページを見ました。見積もりしたい」
この一言が、あらき建装さんにとって大きな転機となりました。
ブログには、現場の写真や使った塗料の説明、工事中に気を付けた点などを、自分の言葉で素直に書いていただけ。
特別な文章力があるわけでもなく、デザイン性が高いわけでもない。でも、それがかえって“職人のリアル”として伝わったのかもしれません。
問い合わせをくれたお客様は、他社のホームページもいくつか見ていたそうですが、「ブログを見て、人柄がわかって安心できた」と言ってくれたそうです。
この出来事が「自分のやってきたことは間違っていなかった」と確信するきっかけとなり、そこからはさらに「伝えることの大切さ」を意識するようになったといいます。
その後も月に1~2件、3~4件と徐々に問い合わせが増えていき、少しずつ仕事のバランスが変わり始めました。ブログを書けば書くほど、自分の言葉に共感してくれる“相性の良いお客様”と出会えるようになったのです。
下請け仕事を減らし自社物件へシフト
当初は、ホームページ経由で来た仕事を「空いている日」に入れていました。あくまでも下請けのスケジュールが優先で、自社の仕事はその合間にこなすスタイル。まだまだ“補助的”な立ち位置だったのです。
しかし、問い合わせが増え始めると、少しずつ状況に変化が出てきました。
「このまま下請けの仕事ばかりを優先していては、自社案件を断ることになってしまう」
「せっかく自分を選んでくれたお客様を大切にしたい」
そう考えるようになり、徐々に下請けの仕事量を見直し始めます。
まずは、単価が極端に安い案件や、工期が厳しいものを思い切って断る勇気を持ちました。
これまでは「とにかく仕事があるだけありがたい」と感じていましたが、自社案件に時間とエネルギーを振り分けることで、精神的にも体力的にも余裕が生まれるようになっていきました。
また、自社案件ではお客様と直接やりとりできるため、感謝の声をダイレクトに受け取れることも大きな魅力。
仕事へのやりがいや満足感も、下請け時代とはまったく違っていたそうです。
現在では、全体の約6割が自社案件となり、スケジュールの主導権も自分で握れるようになっています。
「安くてきつい仕事を無理して請ける必要がなくなった」ことで、収入の安定だけでなく、仕事の質や働き方そのものが改善されたと実感しているそうです。
SEO効果も抜群!地域名での検索上位に表示
コツコツとブログを更新し続けたことで、ホームページのSEO(検索エンジン最適化)効果も着実に表れてきました。
特に、
「国立市 外壁塗装」
「立川市 外壁塗装」
「国分寺市 外壁塗装」
といった地域名+サービス名のキーワードで、Google検索の上位に5年以上も表示されるようになったのです。
これは、ただ単にホームページがあるだけでは実現できません。
あらき建装さんが定期的に現場ブログを更新し、地域名や実際の施工内容をしっかりと文章で記録してきたからこそ、Googleから「この地域の外壁塗装情報として信頼できる」と評価された結果です。
さらに、同じ地域に住むお客様が「近所の塗装業者を探している」とき、検索結果の上位に出てくることで、自然とホームページを見てもらえるようになりました。
「ホームページから問い合わせが来る=検索に出ているから見つけてもらえている」
この仕組みが整ったことで、広告費をかけずに安定的に集客できる仕組みが完成したのです。
一人塗装屋でも情報発信で未来は変えられる
あらき建装さんの事例から学べることは、とてもシンプルです。
・営業が苦手でも、ホームページは代わりに働いてくれる
・ブログという「信頼構築ツール」で受注につながる
・下請けを無理に切らず段階的に自社案件へ移行することが可能
・地域密着のSEOが地元のお客様からの問い合わせを呼び込む
何より大事なのは「発信することをあきらめない」姿勢です。
特別なスキルがなくても、文章が上手でなくても、自分の言葉でコツコツ発信し続けることで、“見つけてもらえる存在”になることができます。
・ブログを書けば、どこかで誰かが読んでくれている
・ホームページを整えれば、検索であなたを探している人に届く
・小さな一歩の積み重ねが、未来の働き方を根本から変えるのです
そして、これは一部の特別な人だけができることではありません。
忙しい中でも、時間を見つけて継続したあらき建装さんができたのなら、誰にでもできると私たちは思います。
このままじゃ何も変わらないと思ったあなたへ
この記事を読んでいる方の中には、かつてのあらき建装さんのように、日々の現場に追われながらも「このままでいいのだろうか」と感じている方がいるかもしれません。
・仕事はあるけれど、収入はギリギリ
・単価が安く、体力的にもきつい
・自社の仕事を増やしたいけど、どうすればいいかわからない
・営業が苦手で、アピールなんて無理だと思っている
そんなあなたにこそ、伝えたいことがあります。
未来を変えるには、“行動”しかありません。
何か特別なスキルがなくても、立派な文章が書けなくても、“発信すること”を始めた人が、自分の理想に一歩ずつ近づいていけるのです。
あらき建装さんも、はじめから自信があったわけではありません。
ホームページを作る時も不安はありましたし、最初のブログ更新も「本当に意味あるのか?」と半信半疑だったそうです。
それでも「やらなきゃ変わらない」という気持ちで、手を動かし続けました。
そして今では、自社の仕事だけでスケジュールが埋まり、価格も、自分の時間の使い方も、すべて“自分で決められる”働き方を手に入れています。
「営業できないから無理」
「ネットは苦手だから…」
「時間がないからまた今度」
そうやって一歩踏み出さないでいると、気づけば何年も同じ場所に立ち止まったままになります。
逆に、たった一つの小さな行動が、1年後の自分を大きく変えてくれるかもしれません。
・まずはホームページを持つ
・ブログで現場のことを発信する
・地域の人に知ってもらう努力をする
最初の一歩は、あなたにもできることです。
「営業ができない職人」でも、「集客できる仕組み」は作れます。
今動けば、1年後には“自社案件が中心の働き方”を実現できるかもしれません。
あなたの決断が、未来の働き方を変えるきっかけになります。
今すぐ行動です。
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