「ホームページが検索結果の1ページ目に出ているのに、なぜか全く問い合わせが来ない」
これは実際に千葉県のある塗装業者さんからいただいた相談です。
一見すると「検索順位が上がれば集客も増える」と思われがちですが、実はそう単純ではないのです。
今回は、検索上位でも問い合わせが来ない理由と、その改善策についてお伝えします。
目次
「1ページ目=お問い合わせが増える」は間違い?
よくある話ですが、SEO会社やネット広告の営業マンから、
「必ず検索1ページ目にしますよ!お問い合わせも増えます!」
と甘い誘い文句を聞いたことはありませんか?
ですが、冷静に考えてみてください。
検索結果を決めるのはGoogleであり、営業マンではありません。
「必ず1ページ目にします」という言葉自体がすでに信頼に欠けるのです。
仮に上位表示が叶ったとしても、それがお問い合わせに直結するとは限りません。
なぜ、検索上位なのにお問い合わせが来ないのか?
実際に上位にあっても問い合わせがゼロというケースは珍しくありません。
そこには、いくつかの「見落とされがちな原因」があります。
【原因➀】自社の強みが伝わっていない
「外壁や屋根の塗装をします!」というだけでは、正直なところ他の塗装業者と同じに見えてしまいます。
お客様にとっては、どの会社に頼んでも「塗る」ことはできる。
だからこそ重要なのは、「この会社にお願いしたい」と思ってもらえる理由=「強み」を伝えることです。
では、どんな強みが必要なのか?実は「特別な技術」や「珍しい塗料」だけが強みではありません。
お客様の不安や期待に応えることができる内容こそが「響く強み」になるのです。
例えば、
・一級塗装技能士などの資格や受賞歴
・雨漏り診断士、外壁劣化診断士などの専門的な知識
・地域密着10年、累計施工数○○件という安心感
・女性スタッフがいる、現場での対応が丁寧といった接客面の強み
・色選びサポートやカラーシミュレーションができるなど提案力
・工事後の定期点検やアフターサービスの充実度
など「他社と比べて、ここが違う!」という視点が大切です。
さらに言えば、強みが思いつかない場合は、実際にお客様や元請けに褒められたことをヒントにしてみてください。
「挨拶がしっかりしていて安心でした」
「施工が丁寧で、近所にも気を配ってくれた」
「最初の説明が分かりやすかった」
こうした「当たり前にやっていること」が、実はお客様にとっては大きな価値です。
強みを言語化し、それをホームページにきちんと載せていなければ、どれだけ良い仕事をしていても、「選ばれる理由」として伝わらずに終わってしまいます。
【原因➁】リアル感がない=信頼感が持てない
ホームページを訪れたお客様は、「この会社に任せても大丈夫か?」を常に見ています。
ところが、情報が古いまま、何ヶ月も放置されたサイトだとどうでしょうか?
・最後の施工事例が1年前…
・ブログも更新されていない…
・お知らせ欄が「年末年始休業のお知らせ」のまま…
こういった状態では、「この業者、本当に営業してるのかな?」と不安になってしまいます。
さらに、顔写真がない、会社紹介がない、スタッフ紹介もなしとなると、ますます「どんな人が来るのか分からない」という不信感に繋がります。
お客様は、見知らぬ業者に数十万円〜百万円単位の工事を依頼するわけです。
そのハードルを超えてもらうには、「この会社はちゃんとしている」と思ってもらうための「リアル感」が必要です。
・最近の施工事例(できれば写真付きで)
・スタッフや職人さんの顔写真と紹介
・実際にあったお客様の声や感想
・現場の風景や作業風景のブログ投稿
・SNSと連動した日常の発信(InstagramやXなど)
特に、写真は非常に大きな効果を持ちます。
笑顔のスタッフの写真や、実際に塗装している様子の画像だけで「ちゃんとやってるんだな」と感じてもらえます。
リアル感がない=実態がつかめない、というのは、信頼の欠如そのものです。
これは、検索順位よりもずっと大きな機会損失に繋がっているかもしれません。
【原因➂】集客戦略がない/一人で悩んでいる
「とりあえずホームページは作ったけど、どう集客していいか分からない…」こういった声は、特に一人親方や小規模の塗装店に多く見られます。
実はこの状況、決して珍しいことではありません。
なぜなら、ホームページ制作会社は「作るプロ」であって「集客のプロ」ではないからです。
多くの制作会社は、綺麗なデザインやスマホ対応といった「見た目」を整えてくれます。
しかし、
・どんなキーワードで集客すればいいか
・ブログは何を書けばいいか
・お客様に刺さる訴求は何か
など、そうしたマーケティング面まではフォローしてもらえないのが現実です。
結果として、塗装店の経営者が自力で運営しなければならず、次第に更新も止まり、「何をすれば反応が出るのか分からない」と立ち止まってしまうのです。
どうすれば「お問い合わせが増えるホームページ」になるのか?
大事なのは、原因を把握した上で、一つひとつ着実に改善していくことです。
→ 「お客様にとってのメリット」を明確に打ち出す
自社の強みが分からないなら、過去に元請けやお客様に褒められたことを思い出してみてください。
→ ブログや施工事例を定期更新する
ブログでは、お客様の悩みに寄り添う内容(例:外壁のヒビを放置するとどうなる?など)を書くことで、信頼と興味を得られます。
「この業者はちゃんとやってるな」
「知識が豊富だな」
そんな印象を持ってもらえるだけでも、お問い合わせの確率が高まります。
→ 素直に相談してみましょう
身近に集客が上手な同業者がいれば、素直に話を聞いてみましょう。
また、塗装業に特化した集客支援会社やコンサルを頼るのも一つの手です。
「相談=負け」ではありません。
むしろ、行動する人だけが改善し、結果を出せるのです。
一番大事なのは「絶対に問い合わせを増やす」という気持ち
実は、この“気持ち”こそが、お客様にも伝わるものです。
・ホームページの一文ひとつ
・ブログのトーン
・施工写真の選び方
全てにその想いが乗ります。
その熱意は、自然と問い合わせにつながる“空気感”として伝わるのです。
検索順位だけに一喜一憂する時代は終わりました。
お客様が選ぶのは「検索上位の会社」ではなく、「信頼できる会社」です。
もし今、お問い合わせが来ないと悩んでいるなら、「順位ではなく中身を見直す」ことから始めてみてください。
集客は、育てるもの。
一歩ずつ、確実に変えていきましょう。
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